CTO MessageCTOメッセージ

CTO Message

運動には、人や社会を
幸せにする力がある。
「フルカスタマイズ」で
すべての人に運動習慣を

小山啓太

Keita Koyama

2020年/中途入社
CTO

インタビュー/CTOメッセージ

1.自己紹介をしてください

コンセプト
「すべての人に”こころと身体を動かす”運動習慣を」
に共感し、クルルへ

現在は、クルル株式会社のCTO(Chief Technical Officer)として、パーソナルジム『eviGym』で働くトレーナーの教育を行っています。また、自社で運用しているWebメディア『Vells』の最高顧問も務めています。

eviGymのお客さまやVellsの読者の人生を、運動を通して楽しく豊かに出来ているか。そんなことを日々考えながら業務に励んでいます。
そんな想いは、過去の経験から形作られました。

私は小さい頃からスポーツが好きで、小学5年からは野球にのめり込んでいました。高校は野球強豪校に進学し、寝食を忘れて練習に打ち込む日々。3年生の夏には甲子園出場メンバーにも選抜されました。
しかし大会前日の練習で腰のヘルニアが悪化し、救急車で病院に運ばれてしまったのです。甲子園出場の夢はかなわず、悔しさが残ったまま、高校最後の夏が終わりました。

そんな苦い経験から「スポーツ医学や、野球をもっと勉強したい」という想いが生まれ、大学で野球を続けた後、卒業後はスポーツ分野の先進国であるアメリカへ。
大学院で、スポーツ医学について多くのことを学びました。なかでもパラリンピック役員も務める「障がい者スポーツ」の教授との出会いが、私を大きく変えました。

それまで、障がいのある方が身体を動かすのは、健康のため、身体のケアをするためだと思っていました。しかし、教授は「スポーツや運動は、健康増進や機能回復のリハビリのためだけに行うものではない。運動そのものが生きる希望、喜び、生きがいになり得るのだ」というのです。それを聞いて、ハッとしました。スポーツはすべての人にとって、もっと身近で気軽なものであるべきだと考えるようになったのです。
帰国しても「すべての人にとって運動が重要だ」という気持ちは強くなるばかり。そんなときに、「すべての人に運動習慣を」というコンセプトで展開するクルル株式会社と出会ったのです。想いに共感し、トレーナーとして参画しました。

2.運動はなぜ大切なのか?

運動とは人間本来の営みである

皆さまの中には、運動=スポーツ と考えている方が多いのではないでしょうか。
でも、そうではありません。
運動とは、歩く、走るといった日常の動きすべてのことを指します。それは、食べる、眠るといった活動と同じ、人間本来の営みなのです。
なぜ、運動は人間本来の営みだと言えるのか。
その理由は大きく分けて、2つあります。

1つは、人間を含む動物はすべからく、遊ぶ生き物だからです。動物は、遊ぶことで身体を整え、心の状態を整えていきます。例えばテレビの番組で、ライオンがじゃれ合って遊んでいる光景を見たことはありませんか?あれは動物の本能で、遊ぶことで体の機能を整え、脳をリセットする働きがあるのです。これは、人間も同じです。遊ぶ(運動する)と心が安らぐのは、当然なのです。脳をリセット出来るのですから。

2つ目は、人間の祖先は400万年前から、「動きながら考える」ことで生き残ってきたからです。
人間はその昔、常に動きながら(運動しながら)考えることで生き残ってきました。例えば食べ物を得るために狩りをするときを例に取ってみましょう。常に動きながら、どうすれば獲物を仕留めることが出来るか考え、石を投げたり、罠を仕掛けたりします。人間は、こうした日常の運動の中で思考力を発達させ、より複雑な動きをすることで生き残ってきたのです。
また、人間の社会性(コミュニティで過ごすこと、助け合いの文化)も、生存に大きく貢献したと言われていますが、これも日々の運動の中で発達した性質だと言われています。
人間は「考えることが出来る動物」であり、その性質によって生き残ってきたのです。

こうして発達してきた人間の思考力や社会性は、遺伝子の中でいまも生き続けています。
ですから運動は、人間の思考力や社会性の維持・発達という意味でも大切だと考えられるのです。

3.運動不足により、どんな問題が起きているのか?

運動量は激減。心身の健康に支障が出てきている。

しかしここ100年の間に、技術の進歩によって生活習慣は激変しました。もはや手を使わない、歩かない生活に変化してきているのです。実際、今の高齢者(昔の若者)は1日15,000歩歩いていましたが、現代の若者は1日平均3,000歩しか歩かないというデータも出ています。
その結果、身体や心の健康に影響が出始めています。例えば、生活習慣病やうつ病の発症など。ほかにも要因はありますが、運動不足も大きな要因の一つになっています。

子供たちの「生きる力」が弱くなっている。
体力がなく、怪我をしやすく、精神的にもろくなりやすい。

また子どもたちの筋力不足、体力不足も問題となっています。筋力や体力がなくても、特に問題ないのではないか?と仰る方もいますが、実は最近学校で、顔面の怪我や骨折などの大けがを負う子供が増えています。なぜか?それは、体力や筋力の低下により、転んだ時に手が出なかったり、身体を支えられずに転んだりする子供が増えているからなのです。そして、そうした怪我をなくすために、公園からは遊具が撤去され始めています。

また、精神的にもろい子供が増えているという問題も指摘されています。
子供の頃の自尊心は、運動から来ることが大きいのです。例えば、速く走れる、縄跳びが出来る、バスケットボールが上手い、などですね。
一方で、運動が苦手だと「出来ないからやらない。」と避けることが増えてしまうため、子供の将来の選択肢を狭めてしまったり、自尊心の低下や、精神的な不安定につながってしまったりするのです。

私は、運動の楽しさを届けることで、こうした子供たちに、人間としての「生きる力」を強く持ってほしいと考えています。子供たちが少しでも運動を楽しみ、より明るく幸せな未来を歩めるようにするには、子供の頃からの運動習慣が必要不可欠だと考えているのです。

思いやり、助け合いの文化が薄れてしまう危険性すらある。

運動不足による影響は、心身の健康問題だけにはとどまりません。私たちが生きる「社会」すら変えてしまう可能性があります。
なぜなら、私たち人間の思考力や、助け合う性質の根幹にある社交性は、400万年の時間の中で、日々運動することで発達してきたものだからです。急に運動しなくなったら、その中で発達してきた思考力や、社交性は徐々に失われていくかもしれないのです。
疲れていると他人を助ける余裕がなくなってしまうように、思考力が衰えれば、他人のことにまで想いを馳せる余裕も、無くなってしまいます。
子供から大人まで生き生きと過ごす社会を創るためにも、運動することは非常に重要なのです。

4.運動することによって、得られる未来とは?

運動は、人間の「生きる力」を呼び覚ます!
明るく幸せな未来を創ってくれるもの。

運動とは、人間の本能的な活動です。運動することで、人間は心身をリセットすることが出来ます。体力や筋力が付くだけではなく、心も前向きに、解放的になります。脳科学的にも、運動すると快感を得られる、幸福になれると言われているのです。

また、今まで運動と共に培ってきたような思考力、適応力、身体の防御力、などの人間本来の力を、より豊かに育むことが出来ると考えられます。

さらに、子供が日常的に運動するようになり、「出来ること」を増やすことが出来れば、子供の未来の選択肢をさらに広げることが出来ます。
そうすれば、子供の心身において、より明るく幸せな未来を創っていくことが出来るのです。

運動の中でも、筋肉トレーニングは効果的。生活習慣を変える力がある。

運動不足の解消にあたって、まず筋肉トレーニング(以下、筋トレ)を行うことが効果的です。
なぜなら、筋トレには生活習慣を自然に変える力があるからです。

人は「座位」「立位」「歩行」の3つの活動スタイルを持っているのですが、現代人は座位でいる時間が圧倒的に多いのです。座ることで筋力が低下し、骨格が歪んでしまっている人もいます。そんな状態でいきなり運動をすると、十分な運動効果が得られないどころか、怪我のリスクが高まってしまいます。
ですから、まずは筋力の弱っている部位を集中的に鍛え、元の筋力をもつ身体に戻すことが出来る筋トレが効果的なのです。筋肉によって骨格を矯正する力も自然と働き、また、身体を大きく動かせるようにもなります。そうなれば、速く歩けるようになったり、疲れにくくなったりして、出来ることが増えるのです。
出来ることが増えれば、日常的に運動するようにもなっていきます。
そのきっかけを作ることが出来るのが、筋トレだと考えています。

5.運動習慣を共に作るトレーナーとして、どうあるべきか?

トレーナーは、お客様の未来を変える力を持っている。

運動を楽しいと感じる「人間本来の感覚」を目覚めさせ、お客さまの未来を変える力を持っているのが、トレーナーです。

トレーナーとは、お客様の身体のメンターです。
大切なのは、お客様が運動って楽しいなと思えるようにすること。達成感や楽しさ、気持ちよさ、は人によって異なるので、その人にあった達成感を提供していきます。

やりがいは、人や社会の未来を変える力を持てること。
例えば、何気なくいらしたお客様に運動の楽しさを伝え、その人が日常的に運動するようになったら、毎日楽しく過ごせる時間が増えるかもしれない。さらに、子供や孫との嬉しい思い出が増えるかもしれない。それって、その人の未来を大きく変えていることになると思うのです。そこまで大きな未来までも変える力を持っているのが、トレーナーです。

だからこそ、ただトレーニングをするのではなく、一人ひとりのお客様に真剣に向き合い、その人の未来まで考えて、運動を提供することがとても大切だと考えています。

世界で通用するトレーナーとして、人格者であれ

常に謙虚に誠実に、自分に出来ることを全力でやること。それこそが、トレーナーとして最も大切なことです。
トレーナーとは技術の仕事だと思われがちですが、技術を活かせる人格がなければ、それを使いこなすことは出来ません。

経験を重ね、知識や技術が増してくると、「これだけやったから満足してもらえるだろう」という奢りがどうしても出てきます。そんな気持ちに流されることなく、誠実に謙虚に、常に全力でやり続けること。そして常に勉強し続けること。
これが、トレーナーとして最も大切なことです。

「常に」というのは、当たり前のようで実はすごく難しいんですよ。
でも、だからこそ出来れば光る。お客様に本当の意味で喜んで頂くことが出来る。
そうした仕事だと考えています。

技術としては、お客様の心身を「理解する力」が最重要。

お一人おひとりに合わせた場づくりには、トレーナーの力が重要です。トレーナーはお客さまの身体のメンターであり、パートナーであるべきです。そのためにも大きく2つの力が必要だと考えています。

1つは「見抜く力」。お客さまの身体や心の状態を、発した言葉、目つき、顔色、雰囲気から探ります。いつもと違うところやちょっとした変化を感じ取るのです。お客さまの心を動かすためには、まずお客様の心の状態を知っていなくてはなりません。本心を見抜く力は、トレーナーが習得すべき最初の技術です。

もう1つは「聴く力」。お客様の言葉の奥にある、真意にたどり着くことが大切です。例えばお客さまが「肩こりがひどくて、疲れているんですよね」と言ったとき。疲れているからストレッチを多くしてほしいのか、トレーニングの負荷を弱めてほしいのかを確認する必要があります。また、お客さまがどちらの肩をどのように触っているか見て、こりを感じている箇所を特定し、その解決方法を考えます。言葉だけではなく、動きも含めて「コミュニケーション」なのです。

お客さまの悩みを理解して初めて専門技術が必要になると考えており、クルルでは「見抜く力」と「聴く力」をまずはじめに研修でお伝えするようにしています。

6.トレーナーの育成ポリシーとは?

トレーナーがより幸せになるための研修を作っている。

研修では、技術や知識を教えるのはもちろんですが、何よりも自分たちの仕事に誇りや自信を持てるようになること、そういう心を育てることを重視しています。

私は海外で、メジャーリーガーやオリンピック選手、障がいを持つ選手のトレーナーも務めた経験があります。さまざまな人種、さまざまな背景を持つ人を見てきました。そうした経験を伝えることで、後輩たちがトレーナーという仕事に対して誇りや夢を持てるようになればと思っています。

研修のカリキュラムは、社会人・トレーナーとしての心構え、安全な空間・器具の使い方やリスク管理の方法、前述した「見抜く力」「聴く力」と、初歩的ですがクルルが大切にしていることをはじめに伝えるようにしています。

バスケットボール界の名コーチとして知られるジョン・ウッデン氏は最初に靴紐の結び方を教えるといいます。「基本」を大切にしなければ、大きなことは成せないのだと。クルルも同じです。一番大切なのは、お客様が安全に楽しく運動が出来ることです。「分かっているでしょう」と流すのではなく、ジョン・ウッデン氏が靴紐の結び方を教えるように、初歩から丁寧に教えることを大切にしています。

専門的なスキルを得て、「すべての人」をサポート出来るトレーナーになって欲しい。

トレーナーには「すべての人」に運動習慣を届けられる人になってほしいです。すべての人とは、プロのアスリートから、お子さん、ご高齢の方、障がいをお持ちの方、病気を抱えている方も含みます。どんな個性や特徴を持った人にも楽しい運動を届け、成果を生み出せるトレーナーになってほしいと思っています。

そしてトレーナーの仕事をずっと愛していてほしいですね。トレーナーとは人や社会を幸せに出来る可能性を持った人なんです。ときには運動の魅力を伝える執筆活動や、新しい運動を開発することだってあります。運動を教える人だという固定観念にとらわれず、視野を広く持てるトレーナーを増やしていきたいです。

7.クルルが生み出していきたい未来とは

運動を通して未来に希望を持てる社会をつくる

私たちが目指す未来は、すべての人に運動習慣が身についている状態。性別や個性関係なく、障がいや病気の有無関係なく、すべての人に運動の楽しさを届けていきます。

また私個人としては、とくにこれからの世の中をつくっていく若い世代に、運動習慣を届けていきたいと考えています。

もちろん運動を通して健康寿命を伸ばしたいという思いもありますが、運動を通して彼らの人生をより楽しくしたいという思いの方が強いですね。身体が元気だと、さまざまなことに挑戦出来るし、夢を持つことが出来る。運動を通し、若い世代が未来に希望を持てる社会がつくれればと思っています。

加えて若い世代が運動習慣を身につければ、未来に継承されていきます。若い世代が将来家庭を持ったときに、子供と楽しく運動するような世界が広がることを想像しています。

未来は「今」の連続です。その「今」を、クルルは良い方向に変えていっているのだと信じています。

これからもすべての人に運動の楽しさを伝え、運動習慣を広め、より良い未来を創っていきたいです。

小山さんのインタビューをもっと読む

https://evigym.com/trainers/koyama

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